闇の職安で 覚せい剤密輸


 2008年9月下旬から10月上旬にかけ、インターネットのサイト「闇の職業安定所」などに「株取引の書類を海外から持ち帰ってくれる人募集」と書き込み、運び屋を募集。応募してきた大○容疑者(武蔵野市吉祥寺本町/無職/20歳)に「ただで海外旅行ができて10万~15万円もらえる」と説明していた。

 応募した大○容疑者は、男が用意した航空券などを渡○容疑者から受けとり、10月29日、成田を出発し韓国・仁川経由でマレーシア・クアラルンプールに旅行した。滞在先のホテルでパキスタン人とみられる外国人の男から覚せい剤約992グラム(末端価格約5950万円)を二重底に隠したキャリーバッグを受け取り、帰国時に関西空港で税関職員に発見され現行犯逮捕された。渡辺容疑者も、2月2日逮捕された。

 渡○容疑者は、東洋大経済学部2年。静岡県内の私立高校時代、ボクシングの地区大会で優勝。推薦入学でボクシング部に所属していたが昨年9月以降練習に参加せず、12月に退部処分。「遊興費で約100万円の借金があった」「出会い系サイトで知り合った飲食店員の女から『金になる商売がある』と聞き、女性から連絡先を紹介された男から密輸を持ちかけられ、運び屋を集めるよう男に指示された。月30万円の報酬だった」「運び屋あっせんの仕事をすれば毎月30万円くれると聞いてやった。15人ぐらいを海外に行かせた」「金のためだった。昨秋から約15人に運び屋をさせ、国内持ち込みに成功したケースもある」と供述。


 昨年10月以降、マレーシアから韓国を経由し覚せい剤を日本に密輸する手口で、逮捕者が相次いでている。渡○容疑者の指示を受けた運び屋とみられる3人が、韓国・ソウルで現地の捜査機関に身柄を拘束されており、大阪府警は24日にも捜査員を派遣して関連を調べる。

 10月26日から12月22日の間に、6人の日本人が韓国経由で覚せい剤を持ち込もうとして韓国で逮捕されている。このうち3人が覚せい剤をマレーシアで調達。あとの3人はトルコから覚せい剤を持ち込んでいた。6人はいずれも20~30歳代、覚せい剤の量は1キロ前後、二重底にしたスーツケースに隠すなど手口が似ている。押収した覚せい剤は合計7キロ(末端価格約4億円)になる。

 このうち、10月26日朝、マレーシアから韓国・仁川国際空港に到着し、麻薬類管理法違反容疑で逮捕された 無職の男(25)と飲食店従業員の女(20)は、共に日本を出国する前、韓国を経由して帰国するようルートを指示されていた。同じ航空機で仁川空港に到着し、翌27日の羽田行き航空券を持ち、スーツケースに覚せい剤を入れるなど手口が同じだったが、お互いの存在は知らなかった。二人とも「『薬物を運べば報酬を払う』というインターネットのサイトを見て応募した」「マレーシアにいた男からスーツケースを渡された」などと供述している。
 飲食店従業員の女は、初犯ということで軽い判決だったが懲役3年の実刑になり、韓国で服役中である。何を運ぶか知らなくても、30万円もの報酬の仕事が合法的なものでないことは常識で判断できるということが判決の理由だ。

 2月19日には、福島県の福島空港で、韓国・仁川から覚せい剤を密輸しようとした日本人の男が平成5年の開港以来初めて摘発された。
 男は午前11時20分着のアシアナ航空の便で到着。覚せい剤約1キログラムを所持して入国し福島県警須賀川署に逮捕された。県警では、取り締まりが軽微な地方空港に眼をつけた組織的な密輸事件の可能性があるとみている。

 韓国関税庁は、円高の影響で増えている日本からの観光客に紛れ込めば、税関検査もすり抜けられると考えたのではないかなど、韓国を経由する密輸が増えたとして、韓国で乗り換えたり、入国翌日に日本に戻る日本人に対し、違法薬物の検査を強化している。(2009.02.23)

覚せい剤密輸で死刑つづく
22 May, 2009 | kobakn
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